──プラットフォーム学を志した理由は?
東日本大震災では災害情報(津波警報など)が出ていたにも関わらず、避難できなかった人が数多く出ました。もともと考えていたのは、どうすればこの防災情報をより多くの人に伝えられ、行動に結び付けてもらえるのだろうかということです。防災を基盤としつつもさまざまな関連分野をつなげていくプラットフォームができれば、人々の命を守れ、いろいろな貢献ができると思います。また、防災という独立した枠組みだけを考えるだけではなく、世の中のいろいろな場所に少しずつ防災の要素を取り入れ、そこから社会貢献できる仕組みを作ることも必要だと考えています。
──現在取り組んでいるテーマは?
私の研究分野は水害の統合的なリスクの評価です。これまで水害のリスクや影響は、河川の管理は河川部局、下水道は下水道部局といった形で、また規模により国や市町村で別々に考慮されてきました。住民目線で考えた場合には同じ降雨由来の現象なのに、リスクの表示が異なるため、どのように行動していいのかが分からないという状況も生じています。将来の命を守るための行動を統合的に考慮できる情報を作ろうとしています。
──プログラムを通じて得たものは?
世の中にある他分野のものを少しずつ融合させながら、防災を推進したいと考えています。その中で連続セミナーの中で様々な分野や立場の人の話を聞き、自然分野のデータ取得問題、医療分野の人命や個人情報の問題、通信技術や解析技術の応用事例を学ぶことができました。最先端の知見や応用、利活用の知識を得られ知見を得られたのが大きいと思っています。
──あなたにとってプラットフォームとは?(あるべき姿、作っていくべき未来など)
ある分野の解決すべき課題に対して、課題を解くことの難しさを感じないようになることだと考えます。“ここ”にアクセスすれば情報にたどり着け、利活用していけば新しいものに結び付くというのが、日常の中に溶け込んでいること。防災に付加価値を与え、防災だと意識せずに防災対応ができることが挙げられます。例えば、ハザードマップは主に避難に使うデータです。私の研究しているリスクは災害が発生する頻度とその規模によって導き出されます。この情報は住宅の購入や企業立地、保険金額の決定といった行動や意思決定の参考にもできます。さらに災害の危険性を避けたり、建築制限に役立てたりするといった動きも促せるのではないかと思っています。
──いまの世界をほんの少し良くしようと思ったら、何が必要だと考えますか? もしくは何をしたいと思いますか?
ほんの少しとなりの人を知ろうとすること、そして自分が持っている知識や知見をとなりの人やとなりの分野に与えることが必要だと考えます。インプット/アウトプットをするモチベーションが高まれば、世の中は良くなると思います。社会の課題は複雑化している面があるため、専門分野だけでは解けなかったり、専門領域の間にある壁によって解けなかったりするケースが増えてきました。双方向の流れは、課題解決につながり、その基盤がプラットフォームだと思います。
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