Interview

メダカの研究を通じて、ゲノムと形質の関係性を知る

原 里英

原 里英さん

農学研究科
応用生物科学専攻

Outline

──プラットフォーム学を志した理由は?

現在私は、日本全国のメダカを用いたゲノム解析をしています。修士課程までは実験系の研究をしていたため、ゲノム解析のような統計モデリングを用いた情報学的な研究手法に対する理解を深めたいと考えていました。プラットフォーム学のプログラムがあることは以前から知っていましたが、修士課程から博士課程に進学する際ふと思い出し、自分の研究に合った内容だと考えました。

──現在取り組んでいるテーマは?

脊椎動物の背骨は椎骨が連なってできています。魚類の椎骨の数は、同種でも寒い地域で多く、暖かい地域では少ない傾向が見られます。この現象がどのような遺伝的要因で起きているのかは、よくわかっていません。そこで日本各地に生息しているメダカの椎骨を数え、ゲノムデータと照らし合わせることで椎骨数に関する遺伝的要因を明らかにしようとしています。

──プログラムを通じて得たものは?

情報学に関する解像度が上がったのが一番の成果です。例えば前期の講義では、環境センサが多様な研究分野でどう活用されているかについて知ることができました。また、実際に環境センサを用いた実習を受けて理解を深めることができました。

──あなたにとってプラットフォームとは?(ご自分の研究をもととして)

例えばヒトやモデル植物では、ゲノム上の座位と形質の対応がある程度体系化されています。しかし魚類では、そのような取り組みが遅れていると感じています。そこで自身の研究を先駆けにして、様々な魚類のゲノムと表現型の関係性などを一覧化できるようになれれば、水産遺伝育種や耐病性、創薬などの分野で利活用できるのではと考えています。

──いまの世界をほんの少し良くしようと思ったら、何が必要だと考えますか? もしくは何をしたいと思いますか?

世界を良くしよう、日本を良くしようと思った場合、極論をいえば行政に干渉する必要があると感じています。例えば気温が上がると魚にどういう変化が訪れ、水産資源量にどのような変化があるかといった知見に対してどういうアクションを取るかは行政の仕事です。水産系のプラットフォームを通じて行政が研究の知見を潤滑に取り入れられる体系ができれば、科学的な観点でより適切な水産政策が実現するかもしれません。研究と政治、さらには経済がうまくつながっていくことが大切だと考えています。

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