──プラットフォーム学を志した理由は?
修士課程の1年目で「プラットフォーム学展望」の講義を受けました。いろいろな分野でプラットフォームが作られていることが分かりました。ロボットの応用は広がっています。情報通信の分野だけでなく、防災、農業、医療などさまざまな分野で活躍していますが、このような分野でより深く人と関わるロボットの可能性を探ってみたいと考えました。
──現在取り組んでいるテーマは?
ひとことで言えば「ヒューマンロボットインタラクション」です。人とロボットの関わり方を研究する分野です。球状でしゃべるロボットから、人に似たアンドロイド型のロボットまでさまざまな形態がありますが、それらの中間的なPepper(ペッパーくん)のような見た目のものを対象にしています。人が操作して、遠隔からも仕事ができるようにできます。ロボットを相手にした際、多くの人が会話を楽しんでくれる一方、言うことを聞かない人や子供にいじめられることもあります。このような時に「ユーモア」を使ってどう対処できるかを研究しています。
──プログラムを通じて得たものは?
他分野でいまどのようなことが行われていて、何ができているのかが参考になりました。情報の分野でシステムやアプリについて学ぶ以上に、防災ではこういうシミュレーションをしている、医療ではこうだなど、実例を学べたことが一番の収穫です。また、プラットフォーム学展望・連続セミナー特別企画では、Rubyの開発者・まつもとゆきひろさんのお話が参考になりました。起業や海外と日本との市場比較などについて詳しく聞けました。
──あなたにとってプラットフォームとは?(ご自分の研究をもととして)
専門がロボットなので、ロボットをいろいろな場所で活躍させられるプラットフォームを作りたいです。防災、医療の分野や接客など、それぞれの試みと結果を統合して、生かせるものです。スマホはアプリがいろいろあって、用途に応じて選ぶことができます。それと同様に、ハードウェア的には近いロボットだが、状況に合った使い方や役割が当てられるような仕組みを考えています。現場で検証して、また現場で反映していく。具体的な例のひとつがユーモアです。病院で患者さんに言うユーモアと、遊園地で子供に言うユーモアには違いがあるかもしれない。列に割り込んだ人に対してただ注意するのではなく、人間のようにユーモアで返すにはどうしたらいいのかなど。どの場面で何が有効だったかのデータを集め、増えたデータを効率よく活用できるようにする。そんな仕組みを考えています。
──いまの世界をほんの少し良くしようと思ったら、何が必要だと考えますか? もしくは何をしたいと思いますか?
まずは研究をオープンにすること。そして、そのメリットを実現した結果、どのような社会ができるのかを知ってもらうことが重要だと思います。プラットフォームには、いろいろなデータが必要不可欠です。ロボットを使う人に個人情報を取得すると言うと抵抗感を持たれるかもしれませんが、買い物が便利になる、ロボットとの会話が楽しくなるなど、それがどう活用されて、どう生かされるかが分かれば、納得感が得られると思います。情報に対するスタンスを表明していくことが大事ですし、研究に対する協力も受けやすくなるのではないでしょうか。
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