Interview

日本の淡水魚のうち約40%が絶滅の危機

小木曽 奏斗

小木曽 奏斗さん

農学研究科
応用生物科学専攻

Outline

──プラットフォーム学を志した理由は?

プラットフォーム学のプログラムに参加していなかったら、得られない出会いです。交流を通じて視野を広げ、より多角的な視点で物事を考えられるようになることは強みにだと思いました。

──現在取り組んでいるテーマは?

和歌山県と福島県の河川で、ニホンウナギの生態を研究しています。暖かい和歌山では1年を通してウナギが獲れる。一方、福島県では冬にウナギがとれなくなります。この違いは何かを知りたいと考えたのが、研究のきっかけでした。寒い地域ではウナギは冬に比較的温かい海に降るのではないかと考え、ウナギが河川や海をどのように移動するのかを個体識別タグ(PITタグ)を使って調べています。

──プログラムを通じて得たものは?

生物の研究でも、データを取るためには機材を使うし、解析を進めようとしたら情報学とのつながりが必ず出てきます。情報通信に対する理解が深まるのはメリットです。また、研究資金の支援が充実しているのも特徴です。私は和歌山や福島にフィールドワークに出かける機会が多く、決まった日にアルバイトがしにくいのですが、リサーチアシスタントとしてお金を受け取りながら研究が進められる制度は、働く日の融通を利かせられるので助かっています。

──あなたにとってプラットフォームとは?(ご自分の研究をもととして)

ニホンウナギは絶滅が危惧されている生物です。しかしながら、その保全のために、生態学のアプローチで研究し、成育に求められる環境が分かったとしても、人間の生活に必要なものが優先されるという現状があります。例えば、河川を自然の状態に戻せば、氾濫などの危険性が増します。自然の保全と人間の利便性(土地開発や防災)はトレードオフの関係にあり、両者を総合的に考える必要があるのですが、実際にはそれぞれの議論が別個に扱われている印象があります。それを統合して妥協点を探る、現実的に一番いい道は何かを考えることが必要ではないでしょうか。実は日本の淡水魚のうち約40%が絶滅を危惧されている状況にあります。その主な理由の一つとして環境の変化が挙げられています。ニホンウナギを足がかりとして、自然環境の保全と人の利便性の両立に繋がるプラットフォームを作りたいと考えています。

──いまの世界をほんの少し良くしようと思ったら、何が必要だと考えますか? もしくは何をしたいと思いますか?

上の質問にも通じますが、主張する際には必ず対立する側のことも考え、中間案を探ることが重要だと思っています。自分の主張をするだけでは通りません。SNSなどで誰もが主張しやすい時代だからこそ、相手のことを考えるのが重要です。

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