Interview

専門分野とは異なる領域に触れ、新しい知識や考え方に触れたい

山中 朔人

山中 朔人さん

農学研究科
応用生物科学専攻

Outline

──プラットフォーム学を志した理由は?

生物学は研究に時間がかかる分野です。技術や知識の社会実装の難しさもあります。その一方で、生物学でも機械学習などが利用されており、DNAや塩基配列といったゲノム解析を医療に結び付けるといった試みがあります。また、情報学はデジタル社会、情報化社会という言葉があるように、社会に直結する学問だと感じています。情報学を学ぶことで、科学技術が社会とどう関わっていけるかを知りたいと考えました。

──現在取り組んでいるテーマは?

小型魚類の孵化を制御している現象について調べています。クマノミの孵化のタイミングは、光や振動で制御されていますが、遺伝子やたんぱく質、どのようなシグナルの伝達経路になっているかの研究をしています。私は魚が大好きで釣りやモリ突きなどもやっています。大学でも魚の研究をしたいと考えていましたが、同時に遺伝子にも興味があったのでその掛け合わせになる領域を選択しました。

──プログラムを通じて得たものは?

プログラムに参加してまだ半年も経たないので全容はつかめていません。ただ、毎月開催のセミナーや講義を通じて、情報学の技術や研究成果は社会に浸透する速度が速いと感じています。例えば、5Gや機械学習は10年、20年のスパンで一気に広がり、デバイスやシステムに反映されています。非常にスピード感がありますね。一方で、養殖の業界でもIT化が始まっていて、現実世界からデータを取得し、解析する流れが出ています。海峡、地形、潮の流れをシミュレートして、どんないけすをつくったらいいか、どこで養殖したらいいかを考えたり、バーチャルで移動式の海上いけすを置く位置を考えるなど、解析の進化には期待しています。

──あなたにとってプラットフォームとは?(あるべき姿、作っていくべき未来など)

技術と生活を結びつけるツールだと考えています。技術ができても、それを使う人の課題をうまくくみ取って当てはめないといけません。ユーザーと技術をつなぐものが必要なのです。そのためには、プラットフォームという基盤や情報を集める土台が必要だと思います。生物系の領域ではPCやITにあまり強くない人も多いので、大規模データを専門領域に当てはめて扱うことが遅れている印象です。生物系の人間がITや情報学に強くなり、その懸け橋になれればいいのかなと思います。

──いまの世界をほんの少し良くしようと思ったら、何が必要だと考えますか? もしくは何をしたいと思いますか?

新しい時代のプラットフォームは多様性を促すものであればいいと思います。社会においても研究においても、これまで作られてきたプラットフォームのおかげで、情報があふれ、地理的な障壁を取り除くことができました。そうはなったけれど、考え方、知識、価値観などは多様化し、社会や文化はまだその多様性を受け止め切れていません。学問においても、これまでは生物学、物理学など領域が決まっていましたが、分野の交流が進み、学問領域の壁がなくなっています。そんな相互作用を促進していくことが大切だと思います。

Interview一覧へ戻る
back