──プラットフォーム学を志した理由は?
表情は道路標識が交通に与える影響に似た役割を果たします。表情はある人とがその瞬間どのような感情を持っているかを表し、社会的状況下で何をしたがっているかを示します。表情は人々が感情のやりとりをするうえで、重要な役割を果たしているのです。また、表情は、意図的に隠そうとしても、必ず内面の状態と何らかの関係を持つはずです。だから、表情認識を通じて内なる感情を推測できるのです。こういった人の内面を自動検出し、解析する技術はまだ成熟していません。ですから、人の内面に関連して外面がどう変わるかの例をより多く集め、収集したデータに対して正確なアノテーションを加えていく必要があります。来るべきSociety 5.0でわれわれは、起こりうる社会問題にどう対処していくかを研究し、真剣に考えていくことが求められています。私の研究テーマを例にとると、データ解析ではディープラーニングの方法を使うだけでは十分ではありません。別の研究領域からより多くの知見を得ることが必要です。例えば、心理学や臨床医学を学ぶべきです。その過程を通じて、より詳細な解釈や分析がもたらされるでしょう。こうした解釈や分析は、より包括的な理解を得るために必要な成果です。そして、これこそが私がプラットフォーム学のプログラムに参加した理由でもあります。
──現在取り組んでいるテーマは?
外部から観察できる表情やその他の情報を人間の内面と関連付けます。感情や心理状態と表情認識の結果との相関・因果関係などを求め、その妥当性や限界を探ります。
──プログラムを通じて得たものは?
プラットフォームの構築は、私の研究からはまだ遠いです。しかし、このプログラムの講義やセミナーを通じて、異なる分野とプラットフォームの組み合わせを学びました。例えば、最近のセミナーでは、メタバースに関する知識を得ることができました。仮想世界では、コミュニティを作って取引を行うなど、現実世界と同じようなことが実現できます。これは大変興味深いですが、このようなプラットフォームを実現するためには、最初にユーザー情報の収集と分析が必要です。こうした裏付けがあるから、ユーザーはプラットフォームが提供するサービスに満足するはずですし、楽しんで使うのでしょう。このプログラムで視野が広がり、包括的なシステムの構築についての学びを得ました。
──あなたが作りたいプラットフォームは?(ご自分の研究をもととして)
私の研究に関連したもので作ってみたいのは、人の内面を検出できるプラットフォームです。カメラ機能を持つツールを使い、許可が有効なときには、ユーザーの外部的なふるまいが24時間モニターされ、表情・姿勢・言葉のやり取りなどの情報が、データとしてプラットフォームのエンジンに送られます。客観的かつ専門的な分析をフィードバックしてもらうことで、自分に体の状態をより正確に知ることができると思います。このプラットフォームは携帯電話、タブレット、ノートパソコンといったデバイスでも利用でき、障がい者でも使いやすい、より人間に合ったデザインを追究できると思います。これが私が構築したいプラットフォームであり、本当の意味で人々に役立つプラットフォームです。
──いまの世界をほんの少し良くしようと思ったら、何が必要だと考えますか? もしくは何をしたいと思いますか?
以前、「すべての人間はたった一人の重要な存在であり、世界に提供できる特別な才能を持っている」という言葉を聞いたことがあります。これからの人生で、私の才能が何かを見つけ、それを惜しげなくシェアしていくつもりです。
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