──プラットフォーム学を志した理由は?
プラットフォーム学は、学際的な分野の学問で、いろいろな分野の人が参加しています。専門の垣根を越えて集まっている状況が自分にマッチしていると思いました。また、自分がまだ知らない分野について、研究内容や課題などを知りたいとも思いました。
──現在取り組んでいるテーマは?
逆問題です。観測データからその原因や現象を支配している要因を推定するもので、農業工学や地盤工学では、構造物や地盤の内部がどうなっているかを調べるといった問題がこれにあたります。例えば、推定対象に超音波を当ててその反響を計測し、観測情報から内部を推計推定するといったものです。また、地盤では観測点の設置が難しく、十分な数の観測が得られない、データの精度が落ちてしまう、といった問題により推計結果に不確かさが伴います。そこでベイズ理論など、不確かさを定量的に評価できる確率的な手法を用いています。
──プログラムを通じて得たものは?
セミナーでは、毎回研究者寄りの人と現場寄りの人が来て登壇してくれるので、両方の側面で話が聴けるのがいいと思っています。研究者と現場領域の齟齬が分かりますし、社会実装ができてその研究が社会に貢献できるためにはどうすべきかを考えるために、ふだん聴く機会のない現場の話は貴重です。
──あなたにとってプラットフォームとは?(あるべき姿、作っていくべき未来など)
私が考えるプラットフォーム像は、少し漠然としていますが、「似たようなことを別々の場所でやっている」ことはどこかしらにあるというものです。これを別個に分けるのではなく、共通部分をみんなで使えれば切磋琢磨できます。そういうことができる場がプラットフォームなのではないかと考えています。
──いまの世界をほんの少し良くしようと思ったら、何が必要だと考えますか? もしくは何をしたいと思いますか?
研究によって、問題が解決されたり、不可能が可能になったりすることが世界の幸せにつながると信じています。その実現のためには、現状を多角的に把握することが重要になると思いますし、そのためにも専門分野の垣根を超えた人々の集まるプラットフォームのような場が必要になると思います。
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