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Vol.30『スタートアップに求められるもの エコシステムの更新が生み出す次への挑戦』

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京都大学 プラットフォーム学卓越大学院プログラムでは2026年1月に「スタートアップとプラットフォーム」と題した学生向けのイベントを開催した。
社会課題を解決するために起業するスタートアップ。2000年代からシリコンバレーを拠点にスタートアップと向き合い、世界中のスタートアップと対話してきたスタートアップエコシステム協会 代表理事の藤本あゆみ氏を講師に迎え、学生たちとコミュケーションを取りながら、スタートアップビジネスの現在地点や可能性について議論した。

「スタートアップエコシステムの発展のために今の仕事をしています」と語る、スタートアップエコシステム協会 代表理事の藤本あゆみ氏

●世界各国のスタートアップやエコシステム関係者と対話を続ける藤本氏

セミナーに登壇した藤本氏は2000年代にGoogleに所属し、急成長する企業や起業家たちが集まる環境の中で、スタートアップがどのように生まれ、どのように成長していくのかを間近で見てきた。単にプロダクトや技術を見るのではなく、企業が次の段階へ進んでいく過程そのものに触れてきた経験は、その後の活動の基盤となった。

昨年だけで20ヵ国を訪問したという藤本氏。世界各国のスタートアップハブの関係者との対話を通じて、特定の成功モデルを外から眺めるのではなく、地域ごとに異なるスタートアップのあり方、その支援の方法、制度や文化の違い、どのような条件のもとでスタートアップが動いているのかといった見聞を広めてきた。その成果は本セミナーでも存分に披露された。

藤本氏が2025年に訪問したスタートアップハブの例

藤本氏自身はスタートアップそのものを立ち上げる立場ではなく、その成長を支える側、そしてエコシステム全体を俯瞰する立ち位置にいる。スタートアップ、企業、大学、投資家といった複数のプレイヤーが関わる中で、どこに課題があり、どこが機能していないのかを整理し、次につなげていく役割を担っている。

●成長こそがスタートアップに求められる

ここで簡単にスタートアップ企業とは何かについて振り返っておこう。単に新しい会社や小規模な事業ではない。また、最初から完成された形を持つものではなく、試行錯誤を重ねながら成長の方向性をとにかく速く探り続ける存在であると藤本氏は語る。技術やアイデアの新しさそのものよりも、事業として成立させ、次の段階へと進んでいく過程そのものが重要だ。

スタートアップの成長が描くJカーブ

成長とは、一時的な成功や短期的な成果を指すわけではない。一定のフェーズごとに求められる役割やスキルが変化し、その都度、組織や事業の形を変えながら進んでいくことがスタートアップである。成長の過程、すなわち創業期、拡大期、その先の段階で必要とされる要件は異なり、その連続的な変化の積み重ねこそ成長だと説明した。

しかし日本のスタートアップは、この成長のプロセスが十分に機能しているとは言えない。スタートアップ自体は増えているものの、次の段階へ進む際の経験や知識が十分に共有されていないケースも多く、結果として個別の成功や失敗が点として存在し、それが次につながりにくい構造になっているという。

特に日本において問題となるのは、成長の途中で直面する課題に対する理解や支援が限定的である点だ。事業が伸び悩んだり、方向転換が必要になったりした際に、本来必要な試行錯誤のプロセスが中断してしまうことも少なくない。それもまた成長には必要な要素なのである。藤本氏は、日本ではスタートアップ個々の挑戦が存在する一方で、それらが連続した成長の流れとして積み上がりにくい傾向があると分析していた。

国内スタートアップの概況

●各プレイヤーがそれぞれの役割を果たすことが重要なエコシステム

「エコシステム」という言葉は広く用いられているが、その意味が十分に整理されていない側面もある。産業におけるエコシステムとは、特定の企業や組織、あるいは制度そのものを指す言葉ではなく、複数の主体が相互に関係し合いながら価値を生み出していく“構造”を指す概念だが、この考え方は、まさに生態系という言葉と重なる。

日本ではスタートアップをエコシステムの中心に置いて考えがちであると藤本氏は指摘する。スタートアップが真ん中にあり、周囲がそれを支援するという構図で語られることが多いが、グローバルな視点では必ずしもそのようには捉えられていない。生態系においては、ある一種の生物を中心に物事が回るのではなく、環境や他の生物との相互作用によって全体が成立している。スタートアップのエコシステムも同様で、スタートアップ企業単体が重要なのではなく、それを取り巻く大学、研究機関、企業、投資家、行政などが有機的に関わらないと機能しないということだ。スタートアップは支援される存在であると同時に、エコシステムを構成し、更新していく側の一要素だという。

スタートアップエコシステムとは

エコシステムを構成する各プレイヤーには、それぞれ異なる役割がある。大学や研究機関は、知識や技術、人材を生み出す源泉として位置づけられ、研究成果や人材がエコシステムの中に流れ込むことで、新しい事業や技術の芽が生まれる。企業は、スタートアップと単に競争する存在ではなく、連携しながら新しい価値を生み出す役割を担う。大企業とスタートアップが協力して新たな市場や事業をつくることは、エコシステムの中では自然な動きである。

エコシステムのプレイヤーの中で、投資家、とりわけベンチャーキャピタルは、金融機関とは異なる役割を持つ存在だ。成功が確約されていない段階の企業に資金(リスクマネー)を投じ、その成長に賭けることで、エコシステム全体の厚みが増していく。政府や自治体もまた、資金や制度面で関与することで、エコシステムの一部として機能する。

エコシステムと近い文脈で語られるプラットフォームは、エコシステムと完全に切り離された概念ではないとしながらも、その性質には明確な違いがあると藤本氏は語る。プラットフォームは、一定のルールや基盤を提供し、その上で他のプレイヤーが活動できる場を整える存在だ。そして、プラットフォームが比較的構造の明確な仕組みであるのに対し、エコシステムは競争と協調を繰り返しながら進化していく動的な存在である。エコシステムは、最初から設計されて完成するものではなく、結果として形成されていく。シリコンバレーも、エコシステムを意図的につくろうとして生まれたわけではなく、産業、人材、資本が長い時間をかけて循環した結果として成立した。

藤本氏は、単一のプラットフォームを整備するだけではエコシステムは成立しないといい、大学、企業、投資家、スタートアップといった各プレイヤーが、それぞれの役割を持ちながら相互に作用し続ける関係性が重要で、誰かが主導して完成させる仕組みではなく、関わる全ての主体によって更新され続ける構造がエコシステムであると定義した。

●世界のスタートアップと、日本のスタートアップの現状

藤本氏が世界を巡って見えてきたのは、国ごとにエコシステムの形は異なるものの、「なぜそれをやっているのか」という目的が明確である国ほど、エコシステムが機能しているという事実だった。多くの国では、スタートアップ政策は産業振興や雇用創出と強く結びついている。特に経済規模が小さい国ほど、自国市場だけで完結する発想を最初から持っておらず、スタートアップが生まれた時点で、海外展開やグローバル市場を前提に設計されており、政策そのものも「外に出ること」を前提に組み立てられている。

海外では次の型へと進化しているエコシステム

フランスやドイツでは、国家戦略としてスタートアップエコシステムを位置づけ、長期的な投資を行っている。フランスでは2015年前後から国を挙げてスタートアップ支援を本格化させ、その結果として、急成長する企業が次々と生まれてきている。ドイツでは、もともと強みのある産業分野を起点に、地域ごとに異なるエコシステムを形成しており、産業構造とスタートアップが密接に結びついている。

また、韓国では若い世代の起業が非常に活発で、スピード感のある挑戦が目立つ。失敗を過度に恐れず、次のチャレンジにつなげる文化があり、結果として新しい事業が次々と生まれている。ジョージアのような比較的小さな国でも、スタートアップだけに注力するのではなく、中小企業や個人事業主を含めた広い意味での起業を促進し、経済全体の循環を良くすることを目的にしている。

こうした各国の事例で藤本氏が強く感じたのは、「スタートアップエコシステムは、国の状況や課題に応じて設計されている」という点だ。どの国もシリコンバレーを再現しようとしているわけではなく、自国の産業構造、人口規模、経済環境を踏まえた形でエコシステムを組み立てている。

各国のスタートアップ政策

その一方で日本でもスタートアップ支援やエコシステム形成が進められているが、多くの地域で「東京の縮小版」や「シリコンバレーの模倣」を目指してしまっているケースが少なくない。結果として、その地域ならではの強みや産業と結びつかないまま、形だけの施策に終わってしまうことがある。

日本は国内市場が比較的大きいため、国内に閉じたスタートアップが生まれやすい。結果、成長スピードが緩やかになり、グローバルな競争環境の中で存在感を示しにくくなる。これはスタートアップの能力の問題ではなく構造の問題であり、技術力や人材の質は高いにもかかわらず、それをグローバルに接続する仕組みが弱い。日本に必要なのは、他国の成功事例をそのまま輸入することではなく、自国の強みと課題を正しく認識した上で、それに合ったエコシステムの形を設計し直すことだ藤本氏は言う。

スタートアップエコシステムの成否を分けるのは「数」や「流行」ではなく、「目的」と「接続の仕方」であり、海外と比較して、日本の状況を遅れと見るか、これから設計できる余地があると見るかという視点の違いこそが、今後の日本のスタートアップエコシステムの方向性を左右する重要な分岐点になるわけだ。

●エコシステムが更新され続ける限り、新しい挑戦は生まれ続ける

スタートアップエコシステムは完成形のある仕組みではなく、常に更新され続けるものだ。エコシステムは生態系であり、成長する要素もあれば、役割を終える要素もある。変化に耐えうる循環を持ち続けることが重要だ。求められるのは、単にスタートアップの数を増やすことではなく持続性だ。生まれたスタートアップが成長し、次の段階へ進み、そこで得られた経験や人材が再びエコシステムに戻ってくる循環が必要で、一度きりの挑戦で終わらず、失敗を糧に次の挑戦へとつながっていく存在であるべきだと藤本氏は述べている。

エグジット方法によって成長曲線が異なるスタートアップ

こうした循環と成長を支えるためにスタートアップエコシステム協会は、特定の企業や分野に偏らない形でエコシステムを広げていくことを目的としている。スタートアップだけでなく、大学、企業、投資家、支援者といった多様なプレイヤーがそれぞれの役割を果たせる環境を整えることが協会の役割だ。そして、協会は正解を提示するのではなく、知見が循環する場をつくることを重視している。

藤本氏は、スタートアップエコシステムの未来は、一部の成功者によって支えられるものではなく、多くの挑戦と失敗が積み重なることで形づくられるものだと語る。エコシステムが更新され続ける限り、新しい挑戦は生まれ続ける。その状態をいかに維持し、次の世代へとつなげていくか。この重要なテーマを提示して藤本氏の講演は終了した。

●登壇者である藤本氏の気付きにもつながった学生たちとのスタートアップに関するコミュケーションを抜粋

京都大学 プラットフォーム学卓越大学院プログラムの学生向けイベントでは毎回登壇者と学生たちによるコミュニケーションを図る目的で、講演の後に質疑応答の時間が設けられている。今回のスタートアップエコシステムセミナーにおいても学生たちから多数の質問が寄せられ、藤本氏がそれに答えている。その一部分を紹介しよう。

活発な議論が交換された、学生たちとの質疑応答

●学生が「とりあえずやってみる」文化は、どう育つのか

学生からの質問:海外では、学生がまずやってみようという感覚で起業に踏み出しているように見えますが、日本ではそうした空気があまり感じられません。こうした文化の違いは、どこから生まれているのでしょうか。

藤本氏:海外、特にシリコンバレー周辺では、「とりあえずやってみる」という姿勢が非常に強いと感じます。その理由の一つは、周囲に同じように挑戦している人が多いことです。例えばスタンフォード大学では、学生の多くが起業に関わっており、「みんながやっているから自分もやる」という空気が自然に生まれています。

また、失敗に対する捉え方の違いも大きいと思います。海外ではやってみてうまくいかなければ、やめて次に進めばいいという割り切りがあり、挑戦そのものが否定されません。起業が学生だけで完結するものではなく、大学の教員や投資家、経験者など、周囲に相談できる人が常にいることも、心理的なハードルを下げています。

しかし日本では、挑戦の途中で相談できる相手や次の選択肢が見えにくい状況があります。間違った知識や不十分な助言によって、かえって失敗のリスクが高まることもあり、慎重にならざるを得ない面があります。挑戦を後押しする以前に、正しい情報と人材にアクセスできる環境づくりが必要だと感じています。

学生が「やってみよう」と思えるかどうかは、個人の勇気だけではなく、その周囲にどれだけ支える仕組みがあるかに大きく左右されるのだと思います。

●学生や研究者がスタートアップに踏み出しにくい理由とは

学生からの質問:海外では学生の段階からスタートアップに挑戦する例が多いように感じますが日本では学生や研究者が、自分のアイデアや研究成果をもとにスタートアップを立ち上げにくい印象があります。そのボトルネックはどこにあるのでしょうか。

藤本氏:日本の場合、スタートアップ創業者の年齢の中央値は30代から40代で、一定期間、企業で働いた後に起業するケースが多いのが実情です。学生の段階で起業に踏み切る人が少ない理由の一つは、知識の不足にあります。技術やアイデアが優れていても、それをビジネスとして成立させるための知識や経験が圧倒的に足りていないことが多いのです。

特に学生の場合、「良い技術やサービスがあれば、誰かが評価してくれる」という感覚にとどまりがちで、実際に市場に出し、事業として回していく難しさを体験する機会がほとんどありません。その結果、成長の軌道をどう描けばよいのかが分からず、最初の一歩を踏み出せない状況が生まれています。

こうしたギャップを埋めるには、ビジネス人材が初期段階から関わり、伴走する仕組みが必要です。若い世代の勢いや技術力だけでは限界があり、実務経験を持つ人材が加わることで、はじめて事業としての形が見えてきます。実際、大きく成長した海外のスタートアップでも、創業メンバーだけでなく、途中から経営を担う人材が加わるケースは少なくありません。

学生や研究者がスタートアップに挑戦しやすくするためには、挑戦そのものを支える人と環境をどう整えるかが、今後の大きな課題だと感じています。

「その観点は確かになかった」と感じることもありました(藤本氏)

●「失敗」は一様ではない──スタートアップにおける撤退と学び

学生からの質問:ベンチャーキャピタルの世界では「10社中1社が成功すればいい」と言われますが、残りの9社の「失敗」にはさまざまな形があると思います。スタートアップとして、どのような失敗の仕方が望ましいのでしょうか。

藤本氏:基本的には、最初から「失敗する前提」で動くものではないと思っています。あくまで成功を目指して全力で取り組んだ結果、タイミングや方向性が合わなかったというケースが多いのが実態です。事前に失敗を想定して動いてしまうと、判断や行動もその方向に引き寄せられてしまいます。

日本では失敗への恐怖が強く、事業をたたむ判断が遅れるケースも少なくありません。本当は次に進んだ方がよい状況でも、やめられずに続けてしまう、いわゆるゾンビ企業の問題もあります。スタートアップは多くの場合、チームで動いているため、撤退の際には創業者だけでなく、従業員やユーザーの行き先まで考える必要があります。

海外でもゾンビスタートアップは存在しますが、そこで得た経験が次の挑戦につながるケースも多く見られます。重要なのは、事業に真摯に向き合い、やれることをやり切った上で次に進むことです。その過程で得た学びは、次のスタートアップや支援の場で必ず生きてきます。

失敗を避けることよりも、どう向き合い、どう次につなげるか。その姿勢こそが、スタートアップにおいて最も重要なのだと感じています。

●「良い失敗」と「悪い失敗」を分けるもの

学生からの質問:アメリカでは、失敗経験のある起業家の方が評価されるという話を聞きます。スタートアップにおいて「良い失敗」とは、どのようなものなのでしょうか。

藤本氏:よく言われるのは、失敗したこと自体ではなく、その失敗にどう向き合っていたかが見られているという点です。プロダクトやユーザーに真剣に向き合い、やるべきことをやった結果としてうまくいかなかったのであれば、それはチャレンジの結果として受け止められます。

しかし、途中で投げ出してしまったり、誠実さを欠いた行動を取ってしまったりした場合は、評価されません。お金を使い切って突然やめる、不正やスキャンダルを起こすといったケースは、「悪い失敗」として明確に区別されます。投資家の立場から見ても、次に一緒にやりたいとは思えなくなってしまいます。

技術やアイデアが優れていても、ユーザーに向き合わず、ビジネスとして成立させようとしなかった場合も同様です。挑戦した結果としての失敗と、向き合うべきものから逃げた結果の失敗は、まったく違うものとして見られます。

だからこそ重要なのは、尊厳と責任を持って挑戦することです。失敗そのものではなく、そこに至る姿勢やプロセスが、次の評価や機会につながっていくのだと思います。

●課題は国境を越える──スタートアップが向き合う「問題」の在処

学生からの質問:スタートアップは先進国だけでなく、途上国へも展開していくと思います。市場という観点だけでなく、課題解決という視点では、どのような広がり方をしていくと考えていますか。

藤本氏:現地を見ていると、それぞれの国には、その国特有の課題が明確に存在しています。多くのスタートアップは、自国の社会課題や産業課題に焦点を当てており、その課題を「見える化」し、外部に提示できる存在が重要になっています。インドネシアやマレーシアなどでは、そうした課題提示そのものが、次のビジネスや投資につながる役割を果たしています。

欧州やアジアの一部では、日本が抱える課題を解決しようとする動きも見られます。つまり、課題を抱えている国と、それを解決するプレイヤーの国が必ずしも一致しているわけではありません。問題を解決できる手段や技術がどこにあるかが重要であり、その国がどこかという点は本質ではないと感じています。

その意味で、スタートアップが向き合うべき対象は市場だけではなく、課題そのものです。課題が明確であれば、解決策は国境を越えて流通し、共感や支援を集めることができます。逆に、課題が言語化されていなければ、どれだけ技術やプロダクトがあっても、外部からは見えにくくなってしまいます。

スタートアップが果たす役割は、単に事業を成長させることではなく、社会の中に存在する課題を可視化し、それを解決する手段を提示することにある。その積み重ねが、結果として国や地域を越えた展開につながっていくのだと思います。

●独学に頼らないための「支援のあり方」

学生からの質問:研究をしていると、この分野はビジネス化できそうだと感じても、どう形にすればいいのか分からないことが多くあります。そうした場合、結局は独学で頑張るしかないのでしょうか。

藤本氏:これまでは確かに独学に頼らざるを得ない状況が多かったと思いますが、それをできるだけ減らしたいと考えています。本来であれば、メンターと呼ばれる存在がいて、対話を重ねながら視点を広げたり、他国の事例を知ったりすることで、次に何を調べればよいかのヒントを得られる環境があるべきです。

ただし、すべてを教える人が良いメンターというわけではありません。正解を与えるのではなく、「ここまで考えているなら、次はこれを見てみるといい」といった形で、次の探索につながる示唆を与えてくれる存在が重要です。

そうした人材や関係性は、プログラムだけで簡単に作れるものではありませんが、少しずつ増やしていく必要があります。独学に頼らず、対話を通じて考えを深められる環境を整えていきたいと考えています。

「新しいスタートアップと、次の成長を支える企業を作るためのスタートアップビジネススクール」を準備しているという藤本氏

藤本氏は今回の講演と学生たちとの質疑応答について「すごく面白くてよかったです。「なるほど、その観点は確かになかった」と感じることもありましたし、言葉によって不安を解消できることをもっとやらなければいけないなとすごく感じました」とコメント。

また、スタートアップエコシステム協会とは別に、グローバルに成長するスタートアップを育成するために支援者とスタートアップが共に学ぶ場として、この春立ち上げる準備をしているスタートアップビジネススクールにも触れ、「学生たちからの話を聞き、いま準備しているスタートアップビジネススクールは、今回尋ねられたような悩みに寄り添えるのではないかという自信にもなりました」と語り、講演を聴いた学生たちだけでなく、登壇した藤本氏にも気付きが得られたという感想を残し、学生向けイベントが終了した。

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